「オイルは拭き取らない」が正解?アロマボディマッサージ後のケアとその理由とは
「お客様に“オイルの拭き取りはしないのですか?”と聞かれて焦った…」そんな経験、ありませんか?実は、オイルは拭き取らない方が良いこともあります。本記事では、キャリアオイルや精油がもたらす美容や健康への作用を最大限に引き出す“拭き取り方法の選び方”を詳しく解説します。不快にさせない対応法やお客様への説明トーク例まで、すぐ使える現場ノウハウ満載です。

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第1章:「オイルを拭く?拭かない?その違い」
「すみません、全部オイル拭き取ってもらえますか?」
施術の終盤、そんなリクエストを受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。
エステやリラクゼーションサロンで働いていると、オイルマッサージ後の“拭き取り”について、意見が分かれることがあります。
全部しっかり拭いてほしいというお客様もいれば、逆に「残しておいていいです」と言われることもあります。
では一体、拭き取るべきなのか、それとも残すのが正解なのか。
今回はその違いを知識ベースで解説していきます。
キャリアオイルと精油、それぞれの役割
アロマボディマッサージに使用されるオイルは、「キャリアオイル」と「精油(エッセンシャルオイル)」をブレンドして作られます。
キャリアオイルとは、植物から抽出された天然オイルのこと。
ホホバオイル、マカダミアナッツオイル、グレープシードオイルなどが代表的です。
たとえばホホバオイルには、抗酸化作用や抗炎症作用があります。
マカダミアナッツオイルにはパルミトレイン酸が豊富に含まれ、エイジングケアにも向いています。
こうした成分は肌にゆっくりと浸透します。さらに表皮のバリア機能も強化します。
一方、精油は香りの成分が主役です。
鼻から香りを吸い込むことで、嗅覚を介して脳に信号が伝わり、自律神経やホルモンバランスに作用するといわれています。
また、精油の成分の一部は皮膚から吸収され、血流にのって全身へと巡ります。
–読者からのコメント–
「香りが脳に届くって、なんだかロマンチックですよね♪」
拭き取らない選択には理由がある
拭き取らない理由は、ズバリ「オイルの作用を活かすため」です。
せっかく精油やキャリアオイルを使った施術をしたのに、すぐに拭き取ってしまっては、その作用が肌に留まる時間が短くなってしまいます。
特に乾燥肌や敏感肌のお客様には、保湿成分をできるだけ長く残すことで、施術後のうるおい感や柔らかさが長持ちします。
また、アロマの香りを残すことで、お客様がサロンを出たあとも“余韻”を楽しめるというメリットもあります。
心理的なリラクゼーションが続くことで、満足度が高まり、リピート率にもつながります。
–読者からのコメント–
「余韻まで施術って、ちょっと素敵な考え方ですよね♡」
施術後のリアルな反応|お客様エピソード
ここで拭き取りの方法を選択し、お客様に施術の作用を実感していただけた例をお伝えしましょう。
以前、Aさん(40代女性)にラベンダーを使ったアロママッサージを行ったときのこと。
施術後、あえてホットタオルを使わず、乾いたタオルで軽く抑える程度で終了したところ、
翌日、「ベタつきは全く感じなかったわ。夜はラベンダーの香りに包まれてぐっすり眠れたの。翌朝の肌がすべすべしていてびっくりしたわ!」と喜びの連絡をくださいました。
このようにオイルを“完全には拭かない”ことで施術の作用を実感していただけることもあります。
拭き取りの方法を的確に選択して施術後のケアを行えば、お客様の満足度はさらに上がることでしょう。
なぜ「拭き取らないサロン」があるのか
サロンによって方針が異なるのは当然ですが、完全に拭き取らないサロンには、それなりの理由とポリシーがあります。
特にアロマテラピーを重視するサロンでは、精油の芳香成分の作用や浸透効果を損なわないよう、肌にキャリアオイルや精油を残すことを推奨するサロンもみられます。
また、精油の種類によっては、体内に取り込まれるまでに一定の時間が必要なものもあります。
こうした理由を知らずに「拭いてくれなかった」と不快に感じられてしまうと、もったいないですよね。
サロンや施術者側としては、お客様に必ず拭き取りをしない理由を説明し、同意を得た上で、
キャリアオイルや精油を拭かずに“残す選択”をすることが大切です。
この章のまとめ
・キャリアオイルや精油には肌や心への作用があるため、施術後あえて拭き取らない方法もある。
・キャリアオイルは保湿や抗酸化作用、精油は自律神経への作用が期待できるが、浸透に時間がかかるものもある。
・施術後の香りや肌のうるおいを楽しむ“余韻”も、サービスの一部になる。
・サロンの方針による違いがあるため、お客様への説明は丁寧に行い、同意を得る必要がある。
次章では、そんな“オイルを残す派”でも実践している、プロならではの拭き取りテクニックについて掘り下げていきます。
お楽しみに。
第2章:「満足度アップ!拭き取りに関する3つのテクニック」
施術後の「拭き取り」のご要望がお客様からあった場合、オイルマッサージがどれだけ気持ちよくても、対応を失敗すると、お客様の満足度は一気に下がってしまいます。
今回は、満足度アップにつながるテクニックを3つご紹介します。
お客様の肌だけでなく、心にも“気遣い”が伝わるテクを身につけておきましょう!
タオルひとつで印象が変わる
まず大前提として、どんな拭き取り方法を選ぶかで、お客様の感じ方は大きく変わります。
- 乾いたタオルのみの場合
肌への摩擦が強くなりがちで、敏感肌の方には不向きです。ただし、香りや成分を残したいときには適しています。 - ホットタオルを使う場合
温かさが加わることで、施術後の余韻が深まりやすく、満足度もアップします。特に冬場や冷えが気になる方にはぴったりです。 - 水拭き(濡れタオル)の場合
清涼感はありますが、冷たいと逆に不快に感じられることもあるため、温度管理が重要です。
–読者からのコメント–
「私も冷たいタオルで拭かれたとき、一気に現実に戻っちゃいました…苦笑」
どれを選ぶにしても、お客様の肌状態や好みに合わせて使い分けるのが理想です。
正解テク①:ホットタオルは40〜45℃がベスト!
拭き取りに使うホットタオルは、温度が高すぎればやけどの危険があり、低すぎれば心地よさを感じにくくなります。
理想は40〜45℃前後。
この温度帯は“じんわり温かい”と感じるベストゾーンで、リラックス効果も高まります。
タオルウォーマーを使う場合でも、取り出してすぐに使わず、一度空気に触れさせて調整しましょう。
自分の手首の内側で温度チェックするのがポイントです。ここは皮膚が薄く、温度を感じやすい場所です。
正解テク②:拭き取りの順番は“手足→背中→デコルテ”
拭き取る順番も、実は重要な要素。
いきなり体の中心部に触れると、驚かれたり、くすぐったく感じるお客様もいます。
基本の順番は「手足 → 背中 → デコルテ」。
末端から中心へ進むことで、血行の流れにも沿った拭き取りができ、自然な動線にもなります。
また、手足には汗腺も多く、ベタつきが気になる方が多いため、最初にケアしてあげると印象が良くなります。
正解テク③:お客様にタオルを渡してご自身で拭いていただく
最近は、拭き取りをお客様自身にお願いするスタイルも増えています。
とくにプライベートサロンや女性専用サロンでは、「自分で拭きたい」というお客様の声に配慮する形で導入されています。
ただし、このスタイルにも注意点がひとつ。体験談を交えてお伝えしましょう。
注意点 施術者の体験談|手足だけは拭き取りを必ず行う理由
以前、Bさん(30代セラピスト)のサロンで起きたこと。
お客様に「全部自分で拭き取りますね」と言われたため、タオルを渡して退室。
ところがお客様がお帰りになった後、部屋の片づけに入ると、ドアノブや備品にオイルの跡が…。
原因は手足に残ったオイルが拭き取れていなかったことでした。
それ以来、Bさんは「どんなにセルフ拭き取りを希望されても、手足だけは必ずこちらで先に拭く」というルールにしています。
お客様の自由を尊重しつつ、サロンの清潔感も守るための配慮ですね。
–読者からのコメント–
「これ、私のサロンでも“あるある”でした…ほんと気をつけないと!」
ワンポイント豆知識|シアバター系オイルは乾拭きNG
高保湿で人気のシアバター系オイルですが、乾拭きには不向き。
冷えると粘度が増し、タオルとの摩擦が強くなりやすいからです。
シアバター系オイルを使う場合は、必ずホットタオルを使用し、やさしく拭き取りましょう。
摩擦による肌トラブルを防ぐためにも、大切なポイントです。
この章のまとめ
・拭き取り方法は、乾いたタオル/ホットタオル/水拭きの3タイプがある。
・ホットタオルは40〜45℃が理想の温度帯。
・拭き取りの順番は「手足 → 背中 → デコルテ」が基本。
・お客様にセルフ拭き取りをお願いする場合も、手足の事前拭き取りは必須。
・シアバター系オイルは乾拭きNG、ホットタオルを使用し、摩擦が起きないよう注意。
ちょっとした気配りや順番の工夫が、施術の完成度をグッと引き上げてくれます。
第3章:拭き取りトラブルを防ぐ!信頼を築くセラピストの会話術
「施術は気持ちよかったのに、最後の拭き取りが…」
そんな一言で、お客様との信頼関係にヒビが入ってしまうことも。
拭き取りは“技術”でもありますが、それと同じくらい大事なのが「声かけ」です。
ちょっとした説明や確認があるかどうかで、お客様の感じ方は大きく変わります。
この章では、トラブルを防ぐ気配りと、リピートにつながる会話の工夫をご紹介します。
トラブルは「説明不足」から起きる
よくあるトラブルの原因の多くは、実は“拭き取り方”そのものではありません。
拭き取り方の「説明がなかった」ことが問題なのです。
たとえば、
「肌にオイル類の作用を残すために、オイルを完全には拭き取らない場合があります」と一言伝えるだけで、お客様は「拭き取らない方が良いみたい」と理解してくれます。
逆に無言で終わると、「手抜きされた?」と感じられてしまうかもしれません。
–読者からのコメント–
「説明ひとつで“プロ意識”って伝わりますよね!」
声かけ①:施術前に「拭き取り方の希望」を確認
最初のカウンセリングや施術前の説明時に、
「最後のオイルの拭き取りは、ご希望ですか」「こちらでお拭き取りする方がよろしいですか」「ご自身でお拭き取りなさいますか」「ホットタオルと乾いたタオル、どちらになさいますか」「お背中はこちらでお拭き取りいたしましょうか」などとお希望を確認しましょう。
この一言があるだけで、お客様は自分の好みを伝えやすくなり、不安や疑問がぐっと減ります。
体質や肌の状態によっても希望は異なるので、必ず確認するのがベストです。
声かけ②:セルフ拭き取りには“ひと工夫”
「最後はご自身で拭き取りをお願いできますか?」
このとき、ただタオルを渡すだけでは不親切です。
たとえば、
「手足のオイルはこちらで先に拭かせていただきますね。残りはご自由にどうぞ」
「もし拭き取りが足りないと感じたら、遠慮なく声をかけてくださいね」
このような声かけを添えるだけで、お客様は“おもてなしされている感”を持てます。
特に初回のお客様には丁寧な案内が欠かせません。
声かけ③:施術後のフォローで信頼が深まる
施術後にさっと着替えの案内をして終わり、ではもったいない!
アロマオイルマッサージは、香りや保湿の余韻も大切にする施術。
「肌に残った精油の作用を感じていただけるよう、軽めの拭き取りにしています。拭き取り足りないところがあれば、こちらで(またはわたくしが)お拭き取りしますね」
といった一言フォローがあると、丁寧さが伝わります。
–読者からのコメント–
「“こちらで(またはわたくしが)お拭き取りします”って魔法の言葉みたいです♡」
さらに、「今日はお客様のお好みの香りに合わせてラベンダーとゼラニウムを使いましたが、香りはいかがでしたか?」というように、使用した精油の名前をお伝えしながら感想をうかがってみましょう。
お客様に“自分だけの施術”というオーダーメイド特別感を与えられます。
実際のエピソード|「言いにくいこと」を先に伝える
40代女性のお客様Cさんは、以前他のサロンで、オイルが背中に残りすぎて肌荒れしてしまったそうです。
その経験から、「しっかり拭き取ってほしいけど、言い出しにくくて…」と不安げでした。
そこで筆者は施術前に、
「拭き取り残しが足りないところがありましたら、しっかり拭き取りますので遠慮なくおっしゃってくださいね」
と伝えたところ、Cさんはふっと笑顔に。
「やっと安心して受けられました」と言っていただき、
それ以来、リピーターとして何度も来てくださっています。
この章のまとめ
・拭き取りトラブルの多くは「説明不足」から起こる。
・施術前の“希望確認”、施術中の“声かけ”、施術後の“フォロー”が信頼構築のカギ。
・お客様に拭き取りをお願いする場合も、プロとしての丁寧な配慮を忘れずに。
・使ったオイルや香りの説明を添えると、“特別な施術”として印象に残る。
どんなに技術が高くても、言葉ひとつで“プロの印象”は大きく変わります。
ほんの少しの心遣いで、お客様との距離はぐっと縮まりますよ。
次章では、施術の質をさらに高める“名アイテム”をご紹介しますので、引き続きお楽しみに!
第4章:「プロが選ぶ!マッサージオイルに役立つアイテム」
「施術は完璧だったのに、拭き取りが微妙で台無し…」
そんな悲しい現場、意外にも多いようです。
マッサージの仕上げである“拭き取り”は、技術だけでなく道具選びも超重要。
使うオイルやタオル次第で、手間も肌触りも、施術後の印象も変わります。
今回は、プロの現場で実際に使われている“名脇役アイテム”をご紹介していきます。
■オイル
水溶性オイル|拭き取りラク&片付け簡単
まずおすすめしたいのが水溶性のマッサージオイル。
一般的な植物性オイルは肌への浸透力や保湿性に優れていますが、拭き取りに手間がかかるのがネックです。
その点、水溶性タイプは拭き取りが驚くほど簡単。
べたつきも少なく、タオルの洗濯もラクになるので、サロンの回転率アップにもつながります。
–読者からのコメント–
「洗濯が楽になるだけでも、すごく助かりますよね♪」
現場での使い分け|季節でアイテムも変える
ある都内のサロンでは、季節によって使うオイルを使い分けているそうです。
- 夏場は水溶性のさらっとしたテクスチャーで施術。
蒸し暑い日でもベタつかず、タオルワークもスピーディ。 - 冬場は保湿重視で、植物性の濃厚オイルを使用。
その分、拭き取りには厚手の布タオルを使い、しっかり包み込むように対応し、お客様にも好評。
サロンのスタイルやお客様の肌質によってもベストな選択は変わりますが、季節を意識することは意外と盲点です。
■タオル
使い捨てタオル|利便性をもとめるなら
最近は使い捨てタイプのタオルも人気です。
ドラッグストアで売っている“汗拭き用タオル”と“オイル拭きタオル”は別物ですのでご注意を。オイルを拭くにはオイル用の厚手ペーパータオルを使いましょう。
ホットキャビンにも対応していて温かくしても使用できるタイプが主流で、忙しいサロンでも手軽に使えるのがポイント。油分をしっかり吸収してくれて、しかも破れにくいです。
ミスしがちな落とし穴|タオルの質は超重要
あるリラクゼーションサロンでは、コスト削減のために格安の使い捨てタオルを大量導入。
ところが、タオル生地が薄く、すぐに冷めてしまい、タオルを何度も交換する羽目に。
結果的に手間が増え、逆に非効率になってしまったそうです。
特に冬場は冷えたタオルが一瞬でお客様の“不快スイッチ”を押してしまいます。
見た目だけで選ばず、実際の使用感を必ずチェックするようにしたいですね。
この章のまとめ
・水溶性オイルは拭き取りが簡単で、施術の時短&肌なじみも良好。
・拭き取りのアイテム選びは季節やオイルの種類に合わせて変えることも選択肢の一つです。
・タオルは安さ優先で選ぶと、結局手間もコストも増えるケースも。実際の使用感を必ずチェック。
最後までお読みいただきありがとうございました
いかがでしたか。オイルマッサージ後の“拭き取り”――
たった数分の工程ですが、お客様の満足度や信頼感を大きく左右する大切な時間です。
技術だけでなく、言葉や道具の選び方にも気を配ることで、施術はもっと心地よく、もっとプロらしくなっていきます。
あなたのその手で、大切なお客様の“今日の疲れ”が軽くなりますように。
【ご案内】
当校の講座では、オイルの拭き取りに関する詳しいレクチャーや実習は行っておりません。
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あなたの“手”が、もっとたくさんの笑顔をつくりますように。